薬を飲んでも繰り返す『頭痛』の原因とは?頭痛の種類と首のコリ・姿勢から根本改善を目指すトータルケア
頭痛
「夕方になると頭が締め付けられる」
「デスクワークで後頭部が痛む」
「病院で『異常なし』と言われ薬でしのいでいる」
当院にもこのようなお悩みが数多く寄せられます。
日本人の3〜4人に1人が悩む慢性頭痛ですが、「体質だから」と諦めて市販薬で一時的に痛みを散らしてはいませんか?
薬は痛みの信号を抑えるものであり、発生原因そのものを解決するわけではありません。薬に頼り続ける悪循環から抜け出すには、「自分の頭痛のタイプ」を知り、「体のどこに負担がかかっているか」という構造的な原因に向き合うことが不可欠です。
本コラムでは、理学療法士の視点から代表的な頭痛の種類と見分け方を解説し、姿勢や骨格から根本改善を目指すトータルケアについてお伝えします。
代表的な頭痛の種類と特徴
医学的に「頭痛」は大きく2つに分類されます。
1つは、脳卒中や脳腫瘍、外傷など、明確な病気が原因で起こる「一次性頭痛(病気が原因の危険な頭痛)」。
もう1つは、特別な病気や構造的異常が画像診断で見つからないにもかかわらず、繰り返し発生する「二次性慢性頭痛(機能的な問題による頭痛)」です。
私たちが日常生活の中で悩まされる頭痛のほとんどは「二次性(慢性頭痛)」に該当します。この慢性頭痛は、発生するメカニズムや痛みの出方によって、主に「緊張性頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つのタイプに分けられます。
1. 緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)
〜慢性頭痛の約7割を占める最多タイプ〜
痛みの特徴: 頭全体がギューッとベルトで締め付けられるような重い痛み、後頭部から首すじにかけてのズキズキしない持続的な圧迫感。
▶︎発生するタイミング: 午後から夕方にかけて、デスクワークの終盤、ストレスを感じたとき。
▶︎その他の症状: 肩こりや首のコリを伴う、体がだるい、めまいを伴うことがある。動いても痛みが著しく悪化することはない。
緊張性頭痛は、慢性頭痛の中で最も頻度が高いタイプです。
主な原因は、首・肩・背中・頭周りの筋肉が過度に緊張(コリ)し、血流が滞ることです。血行が悪くなると、筋肉内に乳酸などの疲労物質が溜まり、周囲の神経を刺激して痛みを発生させます。また、精神的なストレスや長時間の緊張状態によって自律神経が乱れ、血管が収縮することも大きな要因となります。
後述する「姿勢の乱れ」や「ストレートネック」と最も深く関係しているのが、この緊張性頭痛です。
2. 片頭痛(へんずつう)
〜女性に多く、脈打つような激痛が特徴〜
▶︎痛みの特徴: 頭の片側(または両側)が「ズキン、ズキン」と心臓の拍動に合わせて脈打つように痛む。
▶︎発生するタイミング: 週末や仕事が終わってホッとしたとき、雨の前(気圧が下がったとき)、女性ホルモンの変動期(生理前や生理中)。
▶︎その他の症状: 吐き気・嘔吐を伴うことがある、光や音に非常に敏感になる(暗く静かな部屋で横になりたくなる)、動くと痛みが悪化する。痛みの直前に「視界にキラキラした光が見える(閃輝暗点)」前兆が現れる人もいる。
片頭痛は、頭の血管が何らかの理由で急激に拡張し、その周りを通る三叉神経(さんさしんけい)を刺激させることで起こります。
緊張性頭痛とは対照的に、ストレスから解放されてリラックスした瞬間(副交感神経が優位になったとき)や、気圧の変化、特定の食べ物の摂取、寝すぎ・寝不足などがトリガーとなります。
なお、筋肉の緊張が引き金となって片頭痛が誘発される「混合型タイプ」の人も多く存在します。
3. 群発頭痛(ぐんぱつずつう)
〜耐えがたい激痛が一定期間続く稀なタイプ〜
▶︎痛みの特徴: 片方の目の奥や周囲を「キリで刺されたような」「えぐられるような」強烈な激痛。夜間や睡眠中に激痛で目が覚めることが多い。
▶︎発生するタイミング: 年に1〜2回、1〜2ヶ月ほどの「群発期」と呼ばれる期間中、毎日決まった時間帯(夜間や早朝)に発生する。
▶︎その他の症状: 痛む側の目から涙が出る、鼻水が出る、目が充血する。じっとしていられず転げ回るほどの痛みなのが特徴。
群発頭痛は主に20〜40代の男性に多く見られ、その原因は完全には解明されていませんが、目の奥を通る内頚動脈が拡張して炎症を起こすことや、体内時計(視床下部)の乱れが関係していると考えられています。群発期間中のお酒の摂取は確実に頭痛を誘発するため厳禁です。
【注意】すぐに病院(脳神経外科など)を受診すべき「危険な頭痛」
日常的な頭痛の多くは慢性頭痛ですが、急激に発症した頭痛の中には命に関わる病気が隠れていることがあります。以下のような症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。
・今までに経験したことがないような「バットで殴られたような突然の激痛」(くも膜下出血の疑い)
・発熱や首の硬直(首が前へ曲がらない)を伴う頭痛(髄膜炎の疑い)
・手足のシビレ、力が入らない、言葉が上手く出ない、視界が二重に見える(脳梗塞・脳出血の疑い)
・頭部を強く打った後に徐々に強くなる頭痛(慢性硬膜下血腫の疑い)
・50歳以上で初めて経験する持続的な頭痛
なぜ頭痛薬で治らないのか?筋肉・骨格から見た「緊張性頭痛」
ここからは、慢性の頭痛の中で最も多く、当院でも得意としている「緊張性頭痛」(および緊張性頭痛が引き金となる混合型頭痛)について深掘りしていきます。
病院で「異常なし」と言われ、頭痛薬を飲んでも繰り返し再発してしまう理由。
それは、痛みを出している本当の発信源が「頭の内部」ではなく、「頭を支えている首・肩・背中の筋肉」や「骨格の歪み」にあるからです。
1. 頭の重さは5〜6kg!首にかかる負担
人間の頭の重さは、成人の場合で約5〜6kgあります。これは、ちょうどボウリングの玉(11〜12ポンド)1個分に相当します。この重い頭を、私たちは首の骨(頚椎)と、その周りを取り囲む筋肉だけで常に支え続けています。理想的な姿勢(耳穴・肩・股関節が一直線上に並んだ状態)であれば、頭の重みは骨格全体へ均等に分散されるため、首の筋肉に過度な負担はかかりません。しかし、現代人の生活様式はこの理想的なバランスを大きく崩しています。
2. デスクワークとスマホが引き起こす「ストレートネック」
パソコン作業やスマートフォン操作をしているとき、自然と顔が前に出て、背中が丸まり、視線が下がっていませんか?
頭がわずか15度前に傾くだけで、首にかかる負担は約12kg(約2倍)に増加します。さらに30度傾けば約18kg、45度傾くと約22kgもの負荷が首の筋肉に持続的にかかり続けることになるのです。
このように、頭が前に落ちた姿勢を日常的に続けていると、頚椎(首の骨)の本来持っている緩やかなS字カーブが失われ、まっすぐになってしまう「ストレートネック(スマホ首)」が定着します。
ストレートネック状態になると、首の後ろにある筋肉は、頭が前へ落ちないように24時間体制で引っ張り続けなければなりません。これが、首の深い部分にある筋肉(後頭下筋群:こうとうかきんぐん)の慢性的な不全や異常な緊張(コリ)を生み出す最大の根源です。
3. 後頭下筋群と頭痛の切っても切れない関係
後頭部と首の境目にある「後頭下筋群」は、頭の位置を微調整するための非常に繊細な筋肉の集まりです。この筋肉のすぐ間近には、頭部へと向かう重要な大後頭神経(だいこうとうしんけい)や椎骨動脈(ついこつどうみゃく)が走っています。
→姿勢が崩れ、頭が前に出る
→後頭下筋群が過剰に緊張し、ガチガチに固まる
→固まった筋肉が、周囲の血管(椎骨動脈)を圧迫して頭部への血流を阻害する。
→同時に、後頭部へ伸びる神経(大後頭神経)を締め付ける。
後頭部から頭頂部、目の奥にかけて「締め付けられるような痛む・重い」頭痛が発生する。
これが、緊張性頭痛が引き起こされる解剖学的なメカニズムです。
つまり、いくら頭痛薬を飲んで神経の痛みの伝達を遮断しても、首の根元で血管や神経を締め付けている「筋肉のガチガチな緊張」そのものを解除しない限り、薬の効果が切れれば再び痛みがぶり返してしまうのは当然のことなのです。
整体で頭痛を改善する!肩周りをよぐしても意味がない理由
「頭痛が酷いときに、頭や首を自分で強めにマッサージしてもあまり良くならない」
「マッサージ店で首を強めに揉んでもらった直後は少し軽くなるが、翌日には元に戻っている」
このような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、痛む場所である「頭」や「首」だけを揉みほぐしても、頭痛の根本的な解決にはなりません。なぜなら、首が凝り固まってしまう根本的な原因は、首以外の場所にあることが非常に多いからです。
原因その①:肩甲骨の動きの制限(巻き肩・猫背)
首の筋肉(僧帽筋や頭板状筋など)は、肩甲骨や背骨へと繋がっています。長時間のデスクワークなどで肩が内側に入り込む「巻き肩」や「猫背」になると、肩甲骨の位置が外側・上方へ固定され、動きが途絶えてしまいます。肩甲骨が動かないと、そこにつながる首の筋肉が常に引っ張られた状態になり、結果として首元に負担が集中的に集まってしまうのです。
原因その②:骨盤の歪みと土台の傾き
人間の体にとっての「土台」は骨盤です。足を組む癖や、片足に体重をかけて立つ癖によって骨盤が傾くと、体は倒れないように背骨を歪ませてバランスを取ろうとします。その歪みのしわ寄せが最終的に到達するのが、一番上にある「首」と「頭」です。骨盤が歪んでいる限り、いくら首だけを整えても、土台の傾きによってすぐに首へ負担がかかる姿勢に戻ってしまいます。
原因その③:胸郭(肋骨周り)の硬さと呼吸の浅さ
姿勢が丸くなると胸(肋骨)が圧迫され、呼吸時に肺が十分に膨らまなくなります。呼吸が浅くなると、体は酸素を多く取り込もうとして、首の筋肉(斜角筋や胸鎖乳突筋など)を使って無理やり胸を引き上げる「努力性呼吸」を行うようになります。これにより、普通に息をしているだけでも首の筋肉が酷使され、慢性的な首こり・頭痛へと繋がっていくのです。
したがって、頭痛を根本から改善するためには、「頭痛が起きている首や頭」だけを見るのではなく、肩甲骨・骨盤・背骨・呼吸を含めた『体全体(トータル)』のバランスを評価し、調整していくことが不可欠なのです。
当院でのアプローチ
以前、正しい姿勢についてや姿勢に対するセルフケアをご紹介しました。
こちらも合わせてご確認いただけると嬉しいです。
当院が頭痛に対して行う具体的なアプローチの流れをご紹介します。
1. カウンセリング

「どこが?」だけでなく、「いつ?、どんな時に?、どのような?、どんな動作で症状が現れるか?」を深くお伺いします。
・日常生活活動のヒアリング:生活スタイルや仕事状況なども含め頭痛との関連性を特定します。
・既往歴と症状の分析:過去の怪我や病気、現在の症状の経過を詳しく把握することで、頭痛との関連を確認します。
・受診歴:施術歴(リハビリ歴)やレントゲンやMRI、CTなどの画像診断を受けているかをお聞きします。
2.姿勢・動作評価

姿勢・静的アライメント評価: 猫背、反り腰、骨盤の傾きなど、身体のバランスを分析し、症状との関連性をチェックします。
動作・動的アライメント評価:肩甲骨・骨盤・背骨・呼吸を含めた頭痛との関連を確認します。動作評価を通じて、どの筋肉や関節の動きが悪くなっているか(運動機能障害)を特定します。
3.施術(徒手療法・運動療法)
当院では根本的な身体の使い方や肩甲骨・骨盤・背骨・呼吸を含めた『体全体(トータル)』のバランスに着目して施術を行います。
徒手療法

1. 後頭下筋群・深層筋肉への安全で的確な手技アプローチ
頭痛の直接的な引き金となっている首元の深層筋肉(後頭下筋群や斜角筋など)に対し、安全かつ的確な手技でアプローチします。首周りは繊細な血管や神経が集まる非常にデリケートな部位です。当院では、バキバキと無理な力を加えるような危険な施術は一切行いません。解剖学に基づいた適切な圧とベクトルで、無理なく筋肉の緊張を緩め、滞っていた血流を劇的に改善させます。

2. 骨盤・肩甲骨を整える姿勢・骨格矯正(トータルケア)
首の緊張を緩めた後は、首に負担をかけている根本原因である「肩甲骨」「骨盤」「背骨」の歪みを整えます。肩甲骨の可動域を広げて胸を開きやすくし、骨盤を正しい位置に戻すことで、意識しなくても自然と「頭が正しい位置(首骨の上)に乗る状態」を作り出します。土台から姿勢が整うことで、首の筋肉が過剰に頑張る必要がなくなり、頭痛が再発しない体の環境が完成します。

2. 再発を防ぐセルフケアと日常生活のアドバイス
施術で体を整えても、日常の崩れた姿勢や悪習慣をそのままにしていては、再び元の状態に戻ろうとする力が働いてしまいます。当院では、理学療法士の専門知識を活かし、ご自宅や職場で簡単にできる「首・肩甲骨のストレッチ」や「正しいデスクワーク姿勢の保ち方」「呼吸法」など、お一人おひとりの生活スタイルに合わせたセルフケアを個別にご指導いたします。
さいごに
頭痛は、体からの「これ以上、首や姿勢に負担をかけないで!」という切実なサインです。
そのサインを薬で遮断し続けても、根本的な原因が解決していなければ、体に蓄積した負担はいずれ別の不調となって表れてしまいます。
「長年の頭痛だから諦めている」
「どこに行っても改善しなかった」
「薬を飲む回数を減らしたい」
そうお悩みの方は、ぜひ一度、須坂トータルケア整体院にご相談ください。
当院は、単にその場の痛みを和らげるだけでなく、あなたの体が本来持っているバランスを取り戻し、「頭痛に悩まされない、晴れやかな日常」を長期的にお手伝いすることをお約束いたします。
あなたの頭痛の本当の原因を、私達と一緒に見つけていきましょう。

