頸椎症|須坂市の首の痛み・腕の痺れでお困りの方必見
頸椎症
「朝起きると首が痛くて回らない」「腕から指先にかけてしびれを感じる」といった症状にお悩みではありませんか?その症状、もしかすると頸椎症(けいついしょう)かもしれません。頸椎症は放置すると日常生活に支障をきたすだけでなく、回復までに時間がかかってしまうケースも少なくありません。
今回は、頸椎症の症状や原因ついて詳しく解説します。
頸椎症とは

頸椎が老化や頸椎へ繰り返しの負担がかかると、椎間関節が不安定になったり、関節のすり減り、椎間板が薄くなったり、骨棘と呼ばれる骨の出っ張りができたりします。そうすると、椎間関節や椎間板の周囲の炎症が起き、椎間関節を連結する線維である靭帯が厚くなるほか、椎間板や骨棘が神経の通り道の方向に飛び出してしまい、脊髄や神経根を圧迫します。脊髄が圧迫されて症状が現れると頸椎症性脊髄症、神経根が圧迫や刺激されて症状が現れると頸椎症性神経根症となります。
済生会「頸椎症(けいついしょう)」https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/cervical_spondylosis/(2026年4月7日閲覧)
頸椎症性脊髄症
頚椎症性脊髄症は、加齢性変化によって頚部の脊柱管が狭くなり、そのなかにある脊髄が圧迫され、進行すると四肢の運動麻痺や感覚障害を引き起こす疾患です。
発症年齢は50代以降に多く(Boogaarts and Bartels 2015)、男女比は約2:1 ~ 3:1と男性に多いとされています(Moore and Brown 2015)。

症状は進行度によって異なります。
初期症状:手指のしびれ
箸や書字、ボタンを留めることが困難になる(手指巧緻運動障害)
進行症状:足の引きずりやもつれ、階段を降りるのが困難(歩行障害)
四肢や体幹に及ぶ感覚障害
重症例 :手足の麻痺や坐位保持、立位保持困難
頻尿、尿失 禁、便秘、便失禁(膀胱直腸障害)
症状は進行性であり、急速な進行例では早めに治療する必要があります。
金山完哲.頚椎症性脊髄症.整形外科看護.2024, 29(5), p.24-27 (416-419).
頸椎症性神経根症
頚椎症性神経根症は、神経根が脊柱管内で分岐した直後や椎間孔部で椎間板の膨隆や椎間関節の肥厚、ルシュカ関節の骨棘などによって圧迫され、頚部や肩、上肢痛など局所の関連痛と神経根の支配領域に運動麻痺や感覚障害をきたしたものと定義される症候群です。
発症年齢は、45〜54歳で50歳代に多く、男女比は1.7:1と男性に多いとされいています(Radhakrishnanら1994)。

主な症状は、片側(まれに両側)の障害された神経レベルの上肢に痛みやしびれを生じます。多くの症例で頚部痛や肩甲部痛で発症し、上肢の疼痛やしびれが遅れて生じることが多いです。

第5頚神経根障害(C5)→ 腕を上げる(三角筋)や肘を曲げる(上腕二頭筋)
第6頚神経根障害(C6)→ 肘を曲げる(上腕二頭筋、 腕橈骨筋)や手首をそらす(手根伸筋)
第7頚神経根障害(C7)→ 肘を伸ばす(上腕三頭筋)や手首をそらす(手指伸筋)
第8頚神経根障害(C8) → 指を曲げる(手内在筋)
神経根障害でそれぞれの動作がしにくくなります。
頚椎症性脊髄症異なり、体幹や下肢に症状をきたすことはありません。痛みは軽度から日常生活に支障をきたす重篤なものまで程度はさまざまです
金山完哲.頚椎症性神経根症.整形外科看護.2024, 29(5), p.28-31 (420-423).
頸椎症の診断
頸椎症性脊髄症
検査は、レントゲン撮影やCT、MRIなどが行われ、頚椎の加齢性の変化(変性)により脊髄が圧迫されていることを確認し、その部位での脊髄の圧迫に矛盾しない症状や身体所見があることを確認します。画像上で非常に強い圧迫が認められる場合も、手術を考慮する場合もあります。
頸椎症性神経根症
検査は、レントゲン撮影やCT、MRIなどが行われ、頚椎の加齢性の変化(変性)で神経根が圧迫されていることを確認し、その神経根の障害に矛盾しない症状や身体所見があることを確認します。この病気の進み方は患者さんにより様々です。
日本脊髄外科学会. “頸椎症性脊髄症・神経根症”. 日本脊髄外科学会公式サイト. https://www.nsj-official.jp/general/diseasename/02_neck/sekizui.html, (参照 2026-04-08).
頸椎症の治療
頸椎症性脊髄症
頸椎症性脊髄症の治療法には、保存療法と手術療法があります。
症状が軽微なしびれだけのときには薬物療法や装具療法が行われます。
多くの研究によると(Clarkeら1956)、75%が階段状に悪化(良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に進行)し、20%がゆっくりと着実に進行。5%が急速に悪化すると報告されており、頸椎症性脊髄症の経過は「階段状に悪化する」のが特徴で、神経根症に比べると自然治癒は稀であるとされています。
そのため多くの場合、 手術治療する必要があります。
しかし、軽度から中等度(mJOA:Modified Japanese Orthopaedic Association score13点以上)の症例に関しては、約50〜60%が保存療法で現状維持または改善が可能(Kadankaら2002)と報告されていますが、長期的に見ると手術が必要になることが示唆されています。
頸椎症性神経根症
治療法は保存治療と手術治療があります。多くの研究(Lees Fら1963、Radhakrishnanら1994)では、75〜90%が手術なしで改善。保存療法のみで「良好」または「満足」な状態まで回復したと報告しています。また自然経過は、研究によると(Saalら1996)、数週間から3ヶ月以内に強い痛みが改善し、半年から1年かけて神経症状が徐々に回復していく経過が一般的とされています。このことから基本的には自然治癒することが多く、まずは保存治療が選択されます。
さいごに
頸椎症が進行すると頸椎症性脊髄症や頸椎症性神経根症を引き起こします。
それぞれの経過は
頸椎症性脊髄症→階段上に悪化する
頸椎症性神経根症→自然治癒することが多い
このことから同じ頸椎症であったとしても、鑑別診断することが重要となります。
首の痛み、手の痺れでお困りの方は、放置せず早めに近くの医療機関にご相談ください。
:済生会「颈椎症(けいついしょう)」https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/cervical_spondylosis/(2026年4月7日閲覧)
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