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「胸郭出口症候群」とは?神経圧迫による原因と当院でのアプローチについて解説!

胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS)

「つり革を掴むときに腕がしびれる」
「デスクワークをしていると手が冷たくなって重だるい」……。
そんな症状にお悩みではありませんか?
そのしびれや違和感、単なる肩こりだと思って放置しているとしたら、少し注意が必要です。
実はそれ、首や肩まわりの通り道で神経や血管が圧迫されて起こる「胸郭出口症候群(TOS)」かもしれません。
今回は、知っておきたいその原因と当院でのアプローチについて詳しく解説します。

胸郭出口症候群とは

首から肩、腕にかけて通っている神経(腕神経叢)や血管(鎖骨下動脈・静脈)が、筋肉や骨の隙間で圧迫されたり引っ張られたりすることで起こります。
この圧迫と引っ張られやすい部位が3つあります
胸郭出口症候群の説明
①斜角筋隙(前斜角筋と中斜角筋と第1肋骨の間)、②肋鎖間隙(鎖骨と第1肋骨の間)、③小胸筋腱下部(小胸筋腱と烏口鎖骨靭帯の間)
これらの部位で神経と血管が圧迫されたり引っ張られたりすることで症状が誘発されます。
この胸郭出口症候群は症状が多彩で診断基準も曖昧なことや、併存病変の影に隠れて見逃されている場合が少なくないとされています。
けっして稀な病態ではなく、小児から中高齢者まで、主婦・事務職から肉体労働・アスリートまでさまざまな年齢、職種においてみられます。

胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群の症状は様々です。

▶︎肩から腕、指先(特に薬指や小指側)にかけてのしびれ・チクチク感
▶︎肩こりや肩甲骨まわりの重だるい痛み
▶︎握力の低下
▶︎筋肉の萎縮
▶︎腕や手が白っぽくなる(蒼白)
▶︎手が冷たく感じる
▶︎脈が弱くなるつり革を掴む、髪を洗う、洗濯物を干すなどの動作や重いリュックを背負う、
買い物袋を提げる、長時間のデスクワーク、スマホ操作など
このような症状が誘発されることがあります。

胸郭出口症候群の発症要因

発症要因は、非外傷性、外傷性、その中間である微小外傷のくり返しがあります。非外傷性は、頚肋・第1~2肋骨癒合症などの胸郭形態異常や異常線維束・最小斜角筋などの先天性解剖学的異常のほか、腫瘍、なで肩や姿勢不良などによっても生じます。先天的解剖学的異常が原因となることはまれであるが難治性となる。外傷性は胸郭出口への直達外力、鎖骨骨折、むち打ち損傷などがあります。微小外傷にはオーバーヘッドスポーツ、上肢のウエイトトレーニング、肉体労働、リュックサックなどがあります。

胸郭出口症候群の病態

病型としては、血管性(動脈性、静脈性)神経性混合性があります。
大部分が神経性や混合性であり、血管性のみのケースは少ないです。神経性の場合は痛みやしびれはあるものの、検査で異常が見つからない「disputed type」が主体で、医学的に証明可能な神経損傷が起きている「true type」は稀です。神経性胸郭出口症候群には要因による分類もあり、圧迫型18.7%牽引型6.1%混合型75.4%に分類され、圧迫型は筋肉質の男性、牽引型はなで肩の女性に多くみられるが、混合型が最も頻度が高いと報告されています。

胸郭出口症候群の治療

胸郭出口症候群の発症要因でも説明したように、大きく分けて「外傷性」と「非外傷性」の2つがあります。
1. 解剖学的な異常(手術が検討されるケース)
非外傷性: 生まれつきの頚肋(けいろく)、肋骨の癒合、胸郭の形態異常、異常な筋肉の束や腫瘍など。
外傷性: 鎖骨骨折、むち打ち損傷、患部への強い衝撃など。 これら構造的な問題が強い場合は、手術療法が選択されることもあります。
2. 姿勢や習慣によるもの(保存療法の適応) 一方で、なで肩や猫背などの「姿勢不良」が原因で発症するものに関しては、リハビリや整体などの「保存療法」が第一選択となります。当院では、この「なで肩」や「姿勢不良」に対して根本的なアプローチを行い、神経や血管への負担を取り除いていきます。

当院でのアプローチ

胸郭出口症候群へのアプローチは主に、『神経や血管の牽引・圧迫がなぜ起きているのか?』その原因に対して行います。
具体的に、日常生活での負担・姿勢からの影響・軟部組織の硬さ・関節の動き・筋力に対し中心にアプローチします。
1. カウンセリング


「どのような症状」だけでなく、「いつ、どんな時に、どんな動作で症状が誘発されるのか」を深くお伺いし、肩の状態を見極めます。
・生活習慣のヒアリング:作業姿勢、デスクワーク時間、運動習慣、ストレスレベルなど、繰り返し負荷がかかる要因を特定します。
・既往歴と症状の分析::過去の怪我や病気、現在の症状の経過を詳しく把握することで、症状との関連や、施術の安全性を確保します。

2.姿勢・動作評価(姿勢の確認・軟部組織の硬さ・関節の動き・筋力の確認)


姿勢・静的アライメント評価: 猫背、肩甲骨の位置・傾き、反り腰、骨盤の傾きなど、身体のバランスを分析し、症状との関連をチェックします。
動作・動的アライメント評価:首や肩・肩甲骨の動きを確認します。どの筋肉や関節の動きが悪くなっているか(運動機能障害)や、肩甲骨や胸椎(背中の上部)といった症状との関連の深い部位の連動性(キネティックチェーン)を細かく評価します。

ベッド上評価:施術者が可能な範囲で首や肩の動きを確認します。動きの制限がどこにあるか?どの関節の動きが悪くなっているのか?を細かく評価します。

3.施術

施術はカウンセリングと姿勢・動作評価に基づき、根本原因に対して行います。

(1)ストレッチ・手技(肩甲骨周囲・頸部筋のストレッチ)
動作評価で固くなっている筋肉や関節に対して、ストレッチや手技を行い、適切な関節の動きに戻します。

なで肩や姿勢不良からくる胸郭出口症候群の特徴として、肩甲骨のマルアライメント(位置異常)が挙げられます。 首の筋肉や大胸筋・小胸筋、肩甲骨周囲筋群が短縮して硬くなると、肩甲骨を上方へ引き上げたり、前下方へ引き下げ、神経の通り道を狭めてしまいます。 そのため、当院ではそれらの筋肉へのストレッチを重点的に行い、根本から症状を改善するアプローチを行っています。

(2)関節の動きの改善(肩甲骨の動きの改善)
動きの悪い関節に対して、手技で誘導し動作改善を行います。

具体的な例を挙げると、「電車でつり革を掴んでいるとしびれや痛みが出る」という方がいらっしゃいます。 本来、腕を上げる動作に合わせて、肩甲骨はスムーズに連動して動かなければなりません。この連動がうまくいかないと、神経や血管が狭い隙間で圧迫されてしまいます。 そのため当院では、吊り革を持っても症状が出ないよう、肩甲骨が正しく動くための練習(写真)を行い、根本的な改善を目指します。

(3)筋力強化(肩甲骨周囲筋群の強化)
肩甲骨周囲筋群の筋力強化を行い、肩甲骨の動きや位置の改善を行います。

症状を誘発させない姿勢の保持や、肩甲骨のアライメント(位置)改善には、肩甲骨周囲筋の筋力強化が不可欠です。 ストレッチで柔軟性を出すと同時に、肩甲骨を適切な位置に引き止めるための筋力を養うことで、神経や血管への負担を最小限に抑える安定した身体作りを行います。

さいごに

「このしびれは一生付き合っていくしかないのかな……」と諦めていませんか? 胸郭出口症候群は、原因が複雑で周囲に理解されにくいことも多い症状ですが、適切な評価とアプローチを行えば、多くの場合改善を目指すことができます。しびれや重だるさは、頑張りすぎているあなたの体が出している大切なサインです。一人で悩まずに、ぜひ一度当院へご相談ください。あなたの日常から「しびれ」という不安をなくし、快適な生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

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参考文献
草野寛, 井上彰:胸郭出口症候群の診療に役立つ超音波解剖・異常所見・インターベンション.MB Orthopaedics 37(5): 59-73, 2024.
岩堀裕介,花村浩克,梶田幸宏ほか:投球時の肩・肘痛症例における胸郭出口症候群の関与,肩関節37:1167-1171、2013
Atasoy E:Thoracic outlet syndrome:anatomy.Hand Clin 20:7-14,2004
Wilbourn AJ:Thoracic outlet syndromes.Neurol Clin 17:477-497,1999
Fugate MW’,Rotellini-Coltvet L,Freischlag JA et al:Current management of thoracic outlet syndrome,Curr Treat Optiolls Cardiovasc Med 11 :176-183,2009
井手淳二:胸郭出口症候群,越智隆弘総編集高岸憲二専門  編集:最新整形外科学大系13肩関節・肩甲帯.中山書店.東  京,278-289.2006
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資格 :理学療法士(国家資格) 2017年 専門学校卒業 理学療法士免許取得/整形外科勤務・ 自費整体・整骨院に整体師として勤務後開業

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