筋・筋膜性腰痛症とは?須坂市で腰痛でお悩みの方必見!腰痛の原因とは!!
筋・筋膜性腰痛症
〜レントゲンでは原因がわからない疾患〜
腰痛に悩まされていませんか?実は、腰痛の原因となる病気は非常に多岐にわたります。整形外科を受診し、レントゲン検査をした結果、医師から「椎間板ヘルニアの可能性がある」「腰の骨が変形している」などと診断されても、必ずしもそれが痛みの直接的な原因ではないケースも少なくありません。多くの腰痛が原因不特定(非特異的腰痛)とされる中、特に現代人に多い原因の一つに「筋・筋膜性腰痛症(きん・きんまくせいようつうしょう)」が挙げられます。今回は、長時間のデスクワークや姿勢の乱れなどが引き起こす、この「筋・筋膜性腰痛症」について詳しく解説していきます。
セルフチェック
⬜︎ 腰の痛みを感じる場所が明確
⬜︎ 横になると痛みが和らぐが、動かし始めると痛みを感じる
⬜︎ 長時間同じ姿勢(デスクワーク、立ち仕事など)を続けた後に特に痛みが増す
⬜︎ 腰をひねる、かがむなど特定の動作で痛みを感じる
いくつあてはまりますか?
多くあてはまる方は、「筋・筋膜性腰痛症」の可能性があるかもしれません!!
【筋・筋膜性腰痛症とは】
筋・筋膜性腰痛とは、腰の筋肉や筋膜(筋肉を包む薄い膜)に過度な負荷やストレスがかかることで生じる痛みです。
日本の慢性腰痛を訴える方のうち、この筋・筋膜性腰痛が原因となっているケースは非常に多く、統計的にも**腰痛全体の約20%を占めると報告されています。
レントゲンなどの画像検査では骨に異常が見つからないため、これまでは「原因不明の腰痛(非特異的腰痛)」とされがちでした。しかし、現在では痛みの原因が筋肉や筋膜の炎症や緊張にあることが分かっています。
特に、腰方形筋、中殿筋、脊柱起立筋(胸棘筋・胸最長筋・腰腸肋筋)の付着部といった、姿勢を支えるために酷使される筋肉に発生する頻度が高いのが特徴です。

筋・筋膜性腰痛はなぜ起こる?メカニズム
筋肉や筋膜に繰り返し負荷がかかると、その場所に**「筋・筋膜トリガーポイント(MTP:Myofascial Trigger Point)」と呼ばれるしこりのような痛みの発生源ができます。
筋膜は筋肉よりも痛みを感知するセンサーが豊富です。そのため、MTPが発生すると、局所的な炎症が起き、さらには筋膜の血流が悪化して内圧が上昇することで、強い腰の痛みとして感じられます。
また、側弯症や脊柱後側弯症といった背骨の全体的なアライメント(配列)の異常がある場合、特定の筋肉に過剰な負担がかかり、筋・筋膜性腰痛を引き起こす根本原因になることがあります。
【筋・筋膜性腰痛症になる主な原因】
筋・筋膜性腰痛は、腰への**「急激な負荷」と「慢性的な負荷」**によって引き起こされます。
【急激な負荷による原因】
• スポーツなどでの急な動作や、激しい運動での腰のひねり、反り、前かがみ(ゴルフのスイング、ジャンプの着地など)。
• 重い物を急に持ち上げた時などに起こる、筋肉の損傷(肉離れ)や筋膜の損傷。
→いわゆる「ぎっくり腰」の一部も、この急性の筋・筋膜性腰痛であることが多いです。
【慢性的な負荷による原因】
• 不良姿勢の継続:猫背や反り腰など、腰に負担のかかる姿勢を長時間続けること。
• 長時間の同一姿勢:長時間のデスクワークや車の運転など。
• 繰り返し行われる動作:中腰での作業や、重い物を頻繁に運ぶ作業。
• 運動不足:筋肉の柔軟性が低下したり、筋力が弱くなったりすること。
• 精神的なストレスや不安:無意識に筋肉の緊張が持続することにつながります。
【当院での専門アプローチ】
この疾患に対する治療で最も重要なのは、一時的な痛みの緩和だけでなく、MTP(トリガーポイント)の原因となっている根本的な要因を解決することです。
当院では、薬物療法や注射ではアプローチしきれない、姿勢や日常動作、お体の柔軟性、筋力といった根本原因を徹底的に評価し、改善を目指します。
1. カウンセリング
「どこが痛いか」だけでなく、「いつ、どんな時に、どんな動作で痛むのか」を深くお伺いします。
・生活習慣のヒアリング:デスクワーク時間、睡眠の質、運動習慣、ストレスレベルなど、筋肉や筋膜に繰り返し負荷がかかる要因を特定します。
・既往歴と症状の分析::過去の怪我や病気、現在の症状の経過を詳しく把握することで、筋膜性以外の原因も鑑別し、施術の安全性を確保します。
2.姿勢・動作評価
姿勢・静的アライメント評価: 猫背、反り腰、骨盤の傾きなど、身体のバランスを分析し、腰に負担をかけている姿勢をチェックします。
動作・動的アライメント評価::前屈や後屈、ひねりなどの動作テストを通じて、どの筋肉や関節の動きが悪くなっているか(運動機能障害)を特定します。特に、**股関節や胸椎(背中の上部)**といった腰と関連の深い部位の連動性(キネティックチェーン)を細かく評価します。
ベッド上評価:腰椎(腰の骨)だけでなく、腰痛に関連する股関節や胸椎(背中の上部)の関節が、どれだけスムーズに動くか全身的な柔軟性をチェックします。
特に股関節の屈筋やハムストリングスは骨盤の前傾と腰椎の前弩形成に関与しており、これらの筋の障害や 可動域制限などにより腰背部に過度な負担をかける可能性がある。
また腰への負担が筋力低下原因かを評価します。この特に体幹の機能の低下は、腰の不安定性につながります。
3.施術(徒手療法・ストレッチ・運動療法)
主にカウンセリングと姿勢・動作評価に基づき原因に対して施術を行います。
徒手療法
筋膜リリース(Fascial Release):筋膜のねじれや癒着は、筋肉の動きを妨げ、痛みを引き起こす最大の原因です。当院では、この**硬くなった筋膜を狙って「剥がす」「伸ばす」手技を重点的に行います。
関節モビライゼーション:筋膜が緩んだ後、正しい姿勢や動きを身体に再学習させるために、関節の調整を加えます。

ストレッチ
腰背部の筋肉や筋膜の緊張を改善させることを目的に、ストレッチを行います。同時に、胸椎の伸展可動域を向上させることで、腰椎への過剰な負担も減らすことができます。
ストレッチを行う部位は、カウンセリングと姿勢・動作評価に基づき原因に対して行います。

トレーニング
主に腰椎の安定性を高めるトレーニングを行います。
腰椎の安定性を向上させるために、 インナーマッスルとも呼ばれる体幹深層筋を鍛えます。ここで重要な筋肉は多裂筋です。多裂筋は脊椎を安定や、動きのコントロールするのに重要な役割をします。多裂筋の活動を高めると、腰椎の後弯姿勢が改善され、腰椎の適切な前弯位を保持することができます。腰に負担のかからない合理的な動作や姿勢を改善することで症状の軽減に繋がります。

生活・運動指導
主に日常生活や仕事で腰に負担をかける要因に対して行います。
例)・デスクワークでモニター位置が低く、前屈みの姿勢になる。
→モニター位置の高さ調整・椅子の高さ調整など
・仕事で重い物を持つことが多く。腰に負担がかかる。
→持ち方(足のスタンス)の工夫や重量物も持ち上げる際の姿勢(スクワット姿勢)指導。
・ゴルフスイング時に腰が痛い
→胸椎の動きの指導や股関節の使い方など 腰部への負担のかからない動作指導
トレーニングやストレッチ、生活動作指導は症状の改善だけでなく再発予防にも効果的!!
おわりに
筋筋膜性腰痛症は、あなたの「日々の頑張り」が筋肉の疲れとして現れた結果とも言えます。
大切なのは、「何が腰痛の原因なのか」を知ることです。
痛みがなかんか改善しないという方は、自己判断せず、必ず専門の医療機関にご相談ください。
あなたの腰の健康をサポートできるよう、当院も全力でサポートいたします!
伊藤彰浩:第11回 筋・筋膜性腰痛セルフチェック編
成田崇矢,金岡恒治:徒手療法を用いた腰痛の
病態評価の試み.日整外スポーツ医会誌 37(1): 22-26, 2017
Suzuki, H. et al.: Diagnosis and Characters of NonSpecific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study. PLoS One, 11(8): e0160454, 2016.
紺野慎一ほか:腰椎背筋群のコンパートメント内圧上昇と腰痛.臨整外,28(4):419-426, 1993.
本田 哲ほか:筋・筋膜性腰痛症.臨林と研究・99巻12号2022年
